4年次の卒業研究として丸田ゼミを希望する学生への注意事項
 

丸田ゼミを希望する予定の3回生へ 

  丸田ゼミの卒業研究テーマは「誤り訂正符号と有限幾何」です。
  
  2次元バーコード(QRコード)の誤り訂正に使われているリード・ソロモン符号やデジタル
  テレビの衛生通信等に使われているLDPC符号は、有限射影空間の特殊な部分集合
  から数学的に構成できることが知られています。
  本研究室では、まず、有限体上の射影空間を中心とした有限幾何の基礎を学習し、
  それらの応用として、誤り訂正符号の幾何学的な構成方法を学びます。
  その後、各自でテーマを設定して、新しい発見を目指した研究(例えば、新しい符号の
  構成等)を行います。
  研究上必要に応じて、C言語によるプログラミングを行う場合もあります。
  関連科目としては、「情報理論」と「符号理論」を履修しておくことが必須。
  
  具体的には、有限体上の最適な誤り訂正符号(最も誤り訂正能力の高い線形符号)の
  構成などを、有限射影幾何やコンピュータを使って研究します。
  また、大学院に進学したゼミ生は、国内外で研究発表をしたり、一流の学術雑誌に
  論文を発表したりして、活躍しています。
  就職先は、IT関連、情報通信系、教員等。
  更に詳しいことを聞きたい人は、研究室に来て下さい。
   

ゼミ生の選考(定員を超える場合)

  選考基準 「符号理論」の成績順(定期試験免除者優先)
  (情報理論の成績も考慮する場合があるが、それ以外の科目の成績は考慮しない)

ゼミの内容

  研究分野  有限幾何と符号理論(又は関連分野)  ← 内容的には「符号理論」の延長

  スケジュール 
  3回生の3月にゼミ配属決定〜4月: 準備ゼミを行い、基礎を固める。
  ゼミ配属の決定後、春休みからゼミを開始します。

  〜前期中旬: 具体的な研究のための準備をする(過去の研究手法の勉強など)

  〜翌年1月頃まで: 各自の研究テーマで、実際に「研究」を行う

   〜3月: 研究成果をまとめて、卒業論文を作成する(2月に卒研発表会)
 

輪講テキスト 有限幾何と符号理論を扱った洋書や論文等

  洋書を使う理由:
    ・洋書の方が説明が丁寧で分かり易い
    ・各自の研究で、英語の論文を読む必要が出てくる場合がある
    (大学院に進学する場合、修士論文は英語で書く人が多い)
 

履修科目、その他

  「情報理論」と「符号理論」を履修しておくこと。

  新しい発見を目指す研究を行うため、研究意欲が旺盛な学生を望みます。
  春休みも夏休みも平均して週2ペース(各自の都合のよい時間)で研究を行います。
  コンピュータを使った計算が必要な場合は、C言語でプログラミングを行います。
  簡単な計算やデータ管理には Excel を使い、卒論は LaTeX で文書作成します。

  決して楽なゼミではありませんが、苦労した分、得るものも大きいはずです。

 

2023年度の進行状況

  斉藤君:局所的に重みが2種類に限定される線形符号の例外的な重みの符号語数について研究中。
  森君:最新の研究手法を用いて、9元4次元 Griesmer 符号の非存在証明に取り組んでいる。
   (2023/12/18)

2022年度の進行状況

  安福君:5元 Griesmer 符号が存在しない最小距離の最大値を予想し、8次元まで証明できた。
  赤澤君:C言語で作成したプログラムによる探索で、新しい9元4次元線形符号を1つ発見した。
   (2022/12/9)

2021年度の進行状況

  【後期】
  松尾君:M2 の川端君の予想を4元体上の線形符号について検証し、符号理論用の計算
  プログラム Q-extension を駆使して、9次元まで予想が正しいことを証明することができた。
  三浦君:PG(5,2) の tangential blocking set が Petersen グラフと呼ばれる 3-正則グラフの
  結合行列から構成できる15点集合のみであることが知られており、その集合が含む line の
  幾何学的構造のみから tangential であることが分かることを示した。
   (2022/2/10)

  【前期】
  松尾君:M2 の川端君と共に、コロラド州立大学の A. Betten 教授が開発した Orbiter という
  コンピュータソフトのマニュアルを読みながら、有限幾何や群論や符号理論への応用について
  学習している。具体的な卒業研究に役立てられることが多そうだが、説明不足で不明な点も多い。
  三浦君:数年前の坊野さんの修士論文で PG(r,2) の blocking set の分類方法について勉強中。
  PG(5,2) の blocking set の分類が卒業研究のテーマになる予定。
   (2021/7/12)

2020年度の進行状況

  【後期】
  加藤君:野村君(M1) が発見した2つの hyperbolic quadric から Griesmer 符号を構成する
  方法が標数2の有限体上でもできることを確認し、新しい8元4次元符号を構成できた。
  前原君:白水君(昨年度のM2) が証明した4元線形符号に対する拡張定理を、mod 16 で
  4種類の重みしか持たない場合の4元線形符号の拡張定理に一般化できた。
   (2021/2/9)

  【前期】
  新型コロナウイルスの影響で大学への立ち入り禁止のため、メール対応でゼミを行っている。
  現在は、井上君(今年3月修士修了)の卒論を題材に毎週課題を課し、線形符号を幾何学的に
  調べる手法について学習し、メールによる提出レポートにて理解度を確認している。
  今のところ、加藤君・前原君共に、順調に理解が進んでいる。
  対面授業より手間暇が掛かり過ぎるため、早期の登校解除が望まれる。
   (2020/4/30)

2019年度の進行状況

  【後期】
  川端君:3元 Griesmer 符号が存在しない最小距離の最大値を予想し、7次元で証明できた。
  野村君:6-cycle, 3-cycle, 2-cycle, 1-cycle を組み合わせて 7-divisible 符号を構成し、
  その projective dual として新しい7元4次元線形符号を構成できた。
   (2020/2/12)

2018年度の進行状況

  【後期】
  澤島君:数年前の卒研性が行った3元6次元 Griesmer 符号の非存在証明の改良が
  完成し、このテーマで卒研発表を行い、卒論も仕上げた。
  卒研発表で、改良のための画期的な手法について、伝えられなかったのが残念だった。
  現在は、Griesmer でない3元6次元符号の非存在について、新たに検討中。
   (2019/2/25)

  【前期】
  澤島君:3月から卒研準備ゼミを開始。授業の配布プリントで復習した後、
  3元6次元線形符号に関する最近の修士論文を読んで、最適な線形符号の構成方法や
  Griesmer 符号の非存在証明などを勉強した。夏休み中に入る頃から、最近の卒論で
  扱っている3元6次元 Griesmer 符号の非存在証明の再検討(改良)を始めた。
   (2018/9/28)

2017年度の進行状況

  【後期】
  井上君:4-cycle を組み合わせて 5-point を加えて 5-divisible 符号を構成し、その
  projective dual として新しい5元5次元 Griesmer 符号を構成できた。
  倉中君:5元5次元のいくつかの Griesmer 符号の非存在を新たに証明できた。
   (2018/2/15)

  【前期】
  3月: 3/3 に最初の打合せをして、3/6 から隔週で準備ゼミ開始。
  授業の配布プリントの演習問題を解いて基本的な部分を復習した後、
  最近の修士論文を読んで、最適な線形符号の構成方法などを勉強中。
   (2017/4/14)

2016年度の進行状況

  【後期】
  白水君:d ≡ 2 mod 4 の場合に4元3次元線形符号が拡張可能であるための必要十分
  条件を幾何学的に調べて、卒論にまとめている。拡張不可能な具体例の探索に苦戦中。
  坊野さん:新しい7元4次元線形符号を探索するプログラムができて、いくつか発見
  することができた。小さな軌道を大量に並べて生成行列を作るには、何か工夫が必要。
  藤井さん:7元4次元の Griesmer 符号の非存在証明を一通り終えて、卒論にまとめて
  いる。
   (2017/2/1)

  白水君:2012年度の西野君の研究の続きとして、4元4次元線形符号の拡張可能性に
  関する幾何学的な研究に取り組んでいる。d ≡ 2 mod 4 で拡張可能な場合の 2-拡張
  や d ≡ 1 mod 4 で拡張可能な場合の3-拡張の可能性について、探索プログラムから
  見つかった具体例を解析して調べている。
  坊野さん&藤井さん:7元4次元線形符号について、新しい符号の構成と Griesmer
  符号が存在しない場合の非存在証明とに分けて、研究することになった。
   (2016/9/28)

  【前期】
  3月:3人で準備ゼミ開始。
   (2016/4/4)

 

研究テーマ

  先輩の研究の続きをテーマとして選ぶ人が多いですが、新しいテーマでもOKです

  【2023年度】
  ・斉藤 瑠汰 「局所的に重みが限定される線形符号に関する研究」 

  ・森 統亮 「Griesmer 符号の非存在に関する研究」 

  【2022年度】
  ・安福 蛍汰 「5元線形符号の存在限界に関する研究」 

  ・赤澤 和樹 「新しい4次元9元線形符号の構成」 

  【2021年度】
  ・三浦 勇助 「2元体上の射影空間における tangential blocking set について」 

  ・松尾 駿也 「4元線形符号の存在限界に関する研究」 

  【2020年度】
  ・加藤 敦也 「新しい4次元8元線形符号の構成」 

  ・前原 海人 「4元線形符号の拡張可能性に関する研究」 

  【2019年度】
  ・川端 大輝 「3元線形符号の存在限界に関する予想」 

  ・野村 啓太 「新しい4次元7元線形符号の構成」 

  【2018年度】
  ・澤島 利治 「6次元3元線形符号の存在限界に関する研究」 

  【2017年度】
  ・井上 雄登 「新しい5次元5元線形符号の構成に関する研究」 

  ・倉中 渉 「5次元5元線形符号の存在限界に関する研究」 

  【2016年度】
  ・白水 誠 「3次元4元線形符号の拡張可能性に関する研究」 

  ・藤井 摩耶 「4次元7元線形符号の存在限界に関する研究」 

  ・坊野 奈波 「新しい4次元7元線形符号の構成に関する研究」 

 

イベント(学部ゼミ生+院生)

2023/03/24  ゼミ歓送迎会(学位記授与式の後、学生居室にて懇親会、4回ゼミ生・院生+3回生)
2022/03/24  ゼミ歓送迎会(学位記授与式の後、学生居室にて懇親会、4回ゼミ生・院生+3回生)
2021/03/24  ゼミ歓送迎会(学位記授与式の後、研究室にて懇親会、4回ゼミ生・院生+3回生)
2020/03/26  ゼミ歓送迎会(研究室にて学位記授与+懇親会、4回ゼミ生・院生+3回生)
2019/09/03  集中講義の城本先生と院生・今村君(熊本大)歓迎会(天王寺「森田屋」にて、4回ゼミ生+M1院生)
2019/03/22  ゼミ歓送迎会(なかもず駅近くの「Plus One」にて、4回ゼミ生・院生+3回生)
2019/01/15  たこ焼きパーティ(研究室にて、4回ゼミ生・院生+3回生)
2018/04/05  2018年度新ゼミ生歓迎会(なかもず駅近くの「Plus One」にて、4回ゼミ生+院生)
2018/01/16  たこ焼きパーティ(学生居室にて、4回ゼミ生・院生+3回生)
2018/01/16  有限幾何セミナー(A14-321 にて、4回ゼミ生+院生向け)
2017/04/13  2017年度新ゼミ生歓迎会(なかもず駅近くの「Plus One」にて、4回ゼミ生+M1院生)
2017/03/30  新しい学生部屋(丸田研+綿森研)の片付け(3回新ゼミ生+教員)
2017/01/17  たこ焼きパーティ(研究室にて、4回ゼミ生+3回生)
2016/03/15  2015年度ゼミ打ち上げ(白鷺門近くの「Pizzeria Picton」にて、3回新ゼミ生+院生)
2016/01/29  代数的符号理論セミナー打ち上げ(quello quella にて、ブルガリアからのゲスト2名+熊本大からのゲスト+院生)
2016/01/19  たこ焼き&お好み焼きパーティ(Guest Professor 室にて、ブルガリアからのゲスト2名+院生+3回生)

 

遠征(大学院生

2023/12/11〜12/15  国際会議 45ACC(オーストラリア・パース)にて、研究発表 (安福,三浦)
2023/08/28〜08/30  「JCCA-2023 - 離散数学とその応用研究集会2023」(愛知教育大学)にて研究発表 (安福,三浦)
2022/12/15〜12/17  応用数学合同研究集会(龍谷大学)にて、研究発表 (加藤)
2021/12/17             応用数学合同研究集会(龍谷大学・オンライン)にて、研究発表 (野村)
2021/08/17〜08/19  「JCCA-2021 - 離散数学とその応用研究集会2021」(オンライン)にて研究発表 (加藤,川端)
2021/07/05〜07/09  国際会議 BCC2021(イギリス・オンライン)にて、研究発表 (加藤,川端)
2020/12/18             応用数学合同研究集会(龍谷大学・オンライン)にて、研究発表 (澤島)
2020/10/12〜10/17  国際会議 ACCT2020(ブルガリア・オンライン)にて、研究発表 (川端,野村)
2020/08/18〜08/20  「JCCA-2020 - 離散数学とその応用研究集会2020」(オンライン)にて研究発表 (川端,野村)
2020/03/25〜03/27  国際会議 JTCCA(熊本)にて研究発表する予定だったが、コロナウィルス感染防止のため会議中止(澤島,苅田)
2019/12/14             応用数学合同研究集会(龍谷大学)にて、研究発表 (白水)
2019/12/09〜12/13  国際会議 42ACCMCC(オーストラリア・シドニー)にて、研究発表 (倉中,澤島)
2019/08/27〜08/29  「JCCA-2019 - 離散数学とその応用研究集会2019」(都城)にて研究発表 (澤島,白水)
2019/02/22             京都大学数理解析研究所 (RIMS) 研究集会「代数系、論理、言語と計算機科学の周辺」にて、研究発表 (井上,倉中)
2019/01/13〜01/14  研究集会「組合せ論的符号理論」(東北大学)にて研究発表 (藤井,坊野)
2018/12/08〜12/14  国際会議 41ACCMCC(ニュージーランド・ロトルア)にて、研究発表 (井上,苅田)
2018/05/20〜05/24  国際会議 JCCA 2018(仙台国際センター)にて、研究発表 (井上,倉中,白水)
2017/12/16             応用数学合同研究集会(龍谷大学)にて、研究発表 (苅田)
2017/08/17〜08/19  「JCCA-2017 - 離散数学とその応用研究集会2017」(熊本)にて研究発表 (藤井,坊野)
2017/07/08〜07/17  国際会議 OC2017(ブルガリア・Sofia)にて、研究発表(藤井,坊野)

 

2023年度丸田研究室のメンバー

学域ゼミ生: 森 統亮, 斉藤 瑠汰

大学院生: 三浦 勇助, 安福 蛍汰

 

学域卒業後の進路

2023年度学域ゼミ生:  就職2名
2022年度学域ゼミ生:  進学1名、就職1名
2021年度学域ゼミ生:  進学1名、就職1名
2020年度学域ゼミ生:  進学1名、就職1名
2019年度学域ゼミ生:  進学2名
2018年度学域ゼミ生:  進学1名
2017年度学域ゼミ生:  進学3名
2016年度学域ゼミ生:  進学2名

 

2015年度以前の記録